本研究室での配属を希望する学生へ(2026年度版)

根岸研究室(電力・エネルギーシステム研究室)への配属を検討している学生のみなさんに向けて,本ページでは,研究内容,研究室での過ごし方,必要となる知識・スキル,卒業研究の進め方,大学院進学・就職との関係について説明します。

研究室選びでは,「どのような研究テーマがあるか」だけでなく,「自分がその環境で主体的に研究に取り組めそうか」「1年間,あるいは大学院を含めた数年間を通じて,どのように成長できそうか」を考えることが大切です。

このページは,根岸研究室が自分に合っているかどうかを判断するための材料として読んでください。研究内容に少しでも関心がある人,電力・エネルギー分野と情報・数理系の技術の両方に触れてみたい人は,ぜひ最後まで読んでみてください。

[Information] For international students who are not currently affiliated with Kanagawa University and wish to join this laboratory, please read the following page using machine translation and refer to the page (International Student Recruitment) before making an inquiry.

まず知ってほしいこと

根岸研究室は,電力・エネルギーシステムを対象に,数理最適化,データサイエンス,シミュレーション,数理モデリングなどの手法を用いて研究を行う研究室です。

電力システムというと,発電機,送配電網,電力機器などを扱う,いわゆる「強電系」の研究室を想像する人が多いかもしれません。そのイメージは一部正しいですが,本研究室の研究はそれだけではありません。

再生可能エネルギーの大量導入,電気自動車の普及,需要家側リソースの活用,電力市場,カーボンニュートラル,配電網の高度化など,現在の電力・エネルギーシステムは,電気工学だけでなく,情報科学,数理科学,経済分析,制度設計とも深く関わるようになっています。

そのため本研究室は,「電気×情報×数理」の境界領域にある研究室です。

Pythonなどを用いたプログラミング,データ分析,最適化計算,シミュレーションを行いながら,これからの電力・エネルギーシステムをどのように設計・運用していくべきかを考えます。

最初からすべての知識やスキルを持っている必要はありません。ただし,分からないことを調べる姿勢,新しい技術を学ぶ意欲,研究に継続して取り組む時間は必要です。

研究対象について

根岸研究室はこんな人を歓迎します。

  • 再生可能エネルギー,電力システム,カーボンニュートラル,電気自動車,電力市場などに関心がある人
  • 電気工学だけでなく,プログラミング,データ分析,数理最適化,シミュレーションにも触れてみたい人
  • 社会インフラやエネルギー問題を,定量的に分析する力を身につけたい人
  • 卒業研究を通じて,社会に出てからも役立つ技術力・思考力・発表力を身につけたい人
  • 教員,先輩,同期と相談しながら,研究を前に進めていきたい人
  • 大学院進学も視野に入れて,専門性を高めたい人

一方で,次のような人にとっては,本研究室での活動は少し大変に感じるかもしれません。

  • なるべく研究室に来ず,一人で最低限だけ進めたい人
  • プログラミングや数式,シミュレーションにできるだけ触れたくない人
  • 研究テーマや作業内容をすべて受け身で与えてほしい人
  • 卒業研究に十分な時間をかけるつもりがない人

これは,能力の有無というよりも,研究への向き合い方の問題です。

本研究室では,配属時点での知識量よりも,配属後に学び続ける姿勢を重視します。プログラミングや専門知識に不安があっても,継続して取り組む意思があれば,卒業研究を通じて力を伸ばすことができます。

研究対象について

本研究室では,社会・制度・需要の変化に適応する電力・エネルギーシステムを,定量的に設計することを目指しています。

これまでの電力システムは,大規模な発電所と送配電網を中心に構成されてきました。しかし近年は,太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーが増え,電気自動車や蓄電池,家庭用エネルギー機器など,需要家側に存在するリソースの役割も大きくなっています。

その結果,電力システムは以前よりも複雑になっています。天候によって発電量が変わる再生可能エネルギーをどう扱うか。電気自動車の充電が増えたとき,配電網にどのような影響が出るか。停電後に再生可能エネルギーやインバータを活用して電力系統をどう立ち上げるか。カーボンニュートラルを実現するために,どの技術をどの程度導入すべきか。

このような問いに対して,本研究室では,シミュレーション,数理最適化,データ分析,機械学習,数理モデリングなどを用いてアプローチします。

主な研究分野

現在,本研究室では大きく分けて次のような研究に取り組んでいます。

1.需要家側リソース・ローカルフレキシビリティの最適運用

家庭や地域に存在するエネルギー機器,蓄電池,電気自動車,ヒートポンプ給湯機,太陽光発電などを,電力システムの運用にどのように活用できるかを研究します。

たとえば,電気自動車の充電をどの時間帯に行うと,電力コストを抑えながら配電網への負担を小さくできるか。家庭や地域の機器を協調的に制御することで,再生可能エネルギーをより有効に使えるか。需要家側の小さなリソースを束ねることで,電力システム全体の安定化に貢献できるか。

このようなテーマでは,配電網の物理制約,機器の運用制約,需要家の利便性,電力コストなどを考慮しながら,最適な運用方法を考えます。

2.電力需給・エネルギーミックスのシミュレーションと経済分析

カーボンニュートラルの実現に向けて,太陽光発電,風力発電,蓄電池,水素,火力発電,原子力,電力ネットワークなどをどのように組み合わせるべきかを分析します。

将来の電源構成を考えるには,単に「再生可能エネルギーを増やせばよい」というだけでは不十分です。発電量の変動,設備投資コスト,燃料費,CO2排出量,電力需要の変化,地域間連系線の制約など,多くの条件を同時に考える必要があります。

本研究室では,エネルギーミックス最適化モデルや電力需給シミュレーションモデルを用いて,将来の電力・エネルギーシステムのあり方を定量的に評価します。

3.洋上風力発電・再生可能エネルギーの発電出力推計

洋上風力発電は,日本の脱炭素化を支える重要な電源の一つとして期待されています。一方で,風力発電の価値は,設備容量だけで決まるわけではありません。どこに設置するか,どのような風況があるか,どの時間帯にどれだけ発電するか,系統にどのような影響を与えるかが重要です。

本研究室では,気象データや地理情報システム(GIS)を用いて,洋上風力発電の導入可能性や発電出力の推計に取り組んでいます。地図データ,気象データ,発電モデルを組み合わせることで,再生可能エネルギーの導入効果をより具体的に評価します。

4.ブラックスタート・次世代電力システムの制御

大規模停電が発生した後,電力システムをどのように立ち上げ直すかは,安定供給にとって重要な課題です。従来は大規模発電機を中心に電力系統を復旧する考え方が一般的でしたが,再生可能エネルギーやインバータ電源が増える中で,新しい復旧手法が求められています。

本研究室では,GFMインバータや需要家側リソースを活用したブラックスタート手法など,次世代の電力システム制御に関する研究にも取り組んでいます。

5.機械学習・最適化計算の高速化

電力システムの解析では,大規模で複雑な最適化問題を解く必要があります。たとえば,発電機をいつ起動し,どれだけ発電させるかを決める問題では,多くの制約条件を考慮しながら計算を行います。

このような問題は,規模が大きくなると計算に時間がかかります。そこで本研究室では,機械学習を用いて最適化計算を高速化する手法や,効率的なアルゴリズムの開発にも取り組んでいます。

本研究室の卒業研究テーマは,いわゆる強電系のテーマにとどまらず,電力システム,エネルギー経済,配電網,電気自動車,風力発電,機械学習,電力市場など,幅広い内容に広がっています。

最近の卒業研究では,たとえば次のようなテーマに取り組んでいます。

エネルギーミックス・電力経済分析

  • 水素を用いた発電種別を考慮したエネルギーミックス最適化
  • コジェネレーションシステムと高時間解像度の電力部門を持つエネルギーシステム技術選択モデルと分析
  • 多地域エネルギーミックス最適化における分解法の導入と効果検証
  • 動学的多部門エネルギー経済モデルの開発と経済分析

配電網・需要家側リソース・電気自動車

  • 電圧不平衡を考慮した最適充電制御手法の開発
  • 太陽光発電併設型EV充電ステーションの最適運用手法の開発
  • 低圧配電系統における需要家機器協調を考慮した分散最適潮流計算モデル
  • 分散型無効電力制御を考慮した需要家間P2P取引手法の開発

ブラックスタート・次世代電力系統制御

  • 需要家側リソースとGFMインバータを用いた低圧配電系統のブラックスタート手法
  • 高圧配電系統にGFMを用いて連系した風力発電機によるブラックスタート手法

風力発電・GIS解析

  • エリア発電出力をもとにした風力発電パワーカーブの推定
  • 地理情報システムを用いた洋上風力発電の導入可能地域と発電出力の推計

機械学習・電力市場・最適化高速化

  • 発電機起動停止計画問題の計算時間高速化を目的とした機械学習手法の性能比較
  • Gaussian Process Upper Confidence Boundを用いた電力市場入札戦略学習手法

これらのテーマ名だけを見ると難しく感じるかもしれません。しかし,配属時点でこれらの内容をすべて理解している必要はありません。配属後の輪講,プレ卒研,ゼミ,グループミーティングを通じて,背景知識や手法を少しずつ学びながら,自分の研究テーマを具体化していきます。

本研究室に所属した場合の大まかな流れは以下の通りです。

B3後期:研究室に慣れ,研究テーマの入口を探す

3年生は,研究室配属後に「輪講I」と「電気電子情報実験IV」に取り組みます。

輪講Iでは,スマートグリッド,再生可能エネルギー,電力システム,エネルギー技術に関する基礎的な内容を学びます。単に教科書を読むだけではなく,担当範囲を調べ,発表し,関連するニュースや技術動向にも触れることで,研究分野全体への理解を深めます。

電気電子情報実験IVでは,いわゆる「プレ卒研」に取り組みます。プレ卒研では,卒業研究に向けて各自の研究テーマを仮決定し,先輩や教員と相談しながら,研究背景,目的,手法について理解を深めます。最後には,自分のテーマについて発表を行います。

この時期は,いきなり大きな成果を出すことよりも,研究室の雰囲気に慣れ,研究テーマの背景を知り,卒業研究に向けた準備を進めることが重要です。

B4:卒業研究に本格的に取り組む

4年生になると,卒業研究に本格的に取り組みます。

4月以降は,自分の研究テーマについて,関連研究の調査,モデルの理解,プログラムの作成,シミュレーション,結果の整理,発表資料の作成などを進めます。

卒業研究は,授業の課題とは異なり,最初から答えが決まっているものではありません。うまくいかないこともありますし,途中で方針を見直すこともあります。そのため,研究計画を立て,進捗を報告し,教員や先輩と相談しながら,少しずつ前に進めていくことが大切です。

年間の主な予定は以下の通りです。

  • 4月:卒業研究に着手,専門ゼミ開始
  • 7月頃:研究進捗報告会
  • 10月頃:夏休みの活動報告会,研究進捗報告会
  • 11月下旬〜12月上旬頃:卒業研究中間発表会
  • 2月上旬〜中旬頃:卒業論文提出,卒業研究発表会
  • 3月:卒業・修了に関する行事

M1・M2:研究を深め,学会発表や修士論文に取り組む

大学院に進学した場合は,卒業研究で取り組んだ内容をさらに深めたり,新しい研究テーマに発展させたりします。

修士課程では,国内学会や国際会議での発表,論文執筆,後輩への助言,共同研究への参加など,学部生よりも広い視野で研究活動を行います。卒業研究の1年間では見えなかった背景や課題を理解し,自分の専門性を高めることができます。

M2では,修士論文中間発表や修士論文審査に向けて,研究成果を体系的にまとめます。

D1以降:専門性をさらに高める

博士後期課程に進学する場合は,自立した研究者・高度専門人材として,研究課題の設定,研究費申請,国内外での成果発表,博士論文の作成に取り組みます。

博士課程に関心がある人は,早い段階から教員に相談してください。

研究テーマは,教員が一方的に決めるものではありません。また,学生が完全に自由に決めるものでもありません。

本研究室で進めている研究プロジェクト,学生本人の関心,卒業研究としての実現可能性,必要なスキル,先輩や大学院生との関係などを踏まえて,教員・先輩と相談しながら決めていきます。

最初から明確な研究テーマを持っている必要はありません。

「再生可能エネルギーに興味がある」「電気自動車に関心がある」「プログラミングを使った研究をしてみたい」「電力市場や経済分析が気になる」「機械学習を電力分野に応用してみたい」といった,大まかな関心から始めても大丈夫です。

配属後の輪講やプレ卒研を通じて,研究室で扱っているテーマを知り,先輩の研究を見ながら,自分のテーマを少しずつ具体化していきます。

研究テーマを決めるうえでは,次のような点を大切にします。

  • 本人が関心を持って継続的に取り組めるか
  • 卒業研究として一定の成果を出せる見通しがあるか
  • 研究室の専門性や研究プロジェクトと接点があるか
  • 必要なデータ,モデル,ソフトウェア,計算環境を準備できるか
  • 先輩や教員から適切なサポートを受けられるか

研究は,テーマ名だけで決まるものではありません。実際に取り組む中で,問いの立て方,モデル化の仕方,結果の解釈の仕方を学んでいきます。

4年生以降は,本格的に研究活動に取り組みます。

本研究室では,基本的に研究室に来て研究活動を進めるスタイルをとっています。これは,学生を研究室に縛るためではなく,教員,先輩,同期に相談しやすい環境をつくるためです。

研究では,一人で長時間悩み続けるよりも,途中段階で相談した方が早く進むことが多くあります。プログラムのエラー,モデルの立て方,結果の解釈,発表資料の作り方など,研究の途中で出てくる悩みはさまざまです。研究室に来て作業していれば,そうした問題を相談しやすくなります。

そのため,本研究室では,卒業研究・大学院での研究活動について,最低限の基準として週20時間以上の研究活動をお願いしています。

また,研究室ではコアタイムを導入しています。

コアタイム:月曜〜金曜 11時〜15時

コアタイムは,研究室に来て集中して研究活動を行う時間です。就職活動,授業,大学院入試,体調不良など,個別の事情がある場合は調整可能です。ただし,グループミーティング,専門ゼミ,教員との打ち合わせなどは,基本的にコアタイムを中心に設定します。

アルバイトは禁止ではありませんが,研究活動に支障が出ないように予定を組んでください。卒業研究は短期間で一気に進められるものではありません。継続的に研究に向き合う時間を確保することが重要です。

本研究室に所属した際のスケジュールを紹介します。

研究テーマや時期によって変わりますが,B4の1週間はおおよそ次のようなイメージです。

曜日活動例
月曜研究室で作業,前週の進捗整理,グループミーティング
火曜関連文献・資料の調査,プログラム作成,計算実験
水曜専門ゼミ,研究テーマに関する勉強,結果整理
木曜シミュレーション,データ分析,教員・先輩への相談
金曜進捗まとめ,次週の作業計画,発表資料・卒論の準備

実際には,授業,就職活動,大学院入試,研究テーマの進み具合によって調整します。大切なのは,研究活動を「空いた時間に少しだけ行うもの」と捉えるのではなく,毎週継続的に進めることです。

ミーティング

本研究室では,週に1回程度,研究グループごとのミーティングを行います。

グループミーティングでは,各自の研究進捗を報告し,今後の方針について相談します。うまくいった結果だけでなく,うまくいかなかったこと,困っていること,判断に迷っていることも共有してください。

研究は,完成した成果だけを見せるものではありません。途中段階で議論することで,研究の方向性を修正したり,新しいアイデアを得たりすることができます。

また,月に1回程度,研究室全体で集まる全体ミーティングを行います。全体ミーティングでは,研究内容の発表,専門知識に関するレクチャー,研究室全体に関わる情報共有などを行います。

これらのミーティングを通じて,自分の研究を相手に分かりやすく説明する力,他の人の研究を理解して質問する力,議論を通じて研究を前に進める力を身につけます。

専門ゼミ

本研究室では,週に1回程度,研究室全員で専門ゼミを行います。

専門ゼミでは,電力システム,エネルギー技術,数理最適化,データ分析など,研究に必要な内容を学びます。電力・エネルギー分野に関する最新ニュースを紹介したり,専門書や論文を輪講したりしながら,研究に必要な基礎力を身につけます。

専門ゼミは,単に知識を得るためだけの時間ではありません。自分が調べた内容を発表する力,分からないことを質問する力,他の人の説明を聞いて議論する力を養う場でもあります。

研究テーマを進めるうえで必要な専門知識は,配属後に少しずつ身につけていきます。

研究のアプローチ

本研究室の研究では,コンピュータ・シミュレーションをベースとした解析を行うことが多いです。そのため,Pythonなどのプログラミング言語を用いたコーディングが必要になります。

プログラミングが得意である必要はありませんが,まったく触れたくないという人には向いていません。変数,配列,if文,for文,関数,グラフ作成,ファイル入出力など,基本的な内容から始めて,研究に必要な範囲を少しずつ身につけていきます。

研究テーマによっては,以下のような知識や手法を扱います。

  • 電力システム工学
  • 電力系統の潮流計算
  • 発電機の経済負荷配分
  • 発電機起動停止計画
  • 配電網解析
  • 数理最適化
  • 線形計画法・整数計画法
  • 確率計画法
  • 機械学習
  • データ分析
  • 制御工学
  • GIS解析
  • 電力市場・エネルギー経済分析

すべてを最初から理解している必要はありません。研究テーマに応じて,必要な知識をその都度学んでいきます。

ただし,本研究室での研究を希望する場合,以下のような講義内容に関心を持っていることが望ましいです。

  • 電気回路
  • エネルギー工学
  • 電力工学
  • 確率・統計
  • 数理最適化
  • プログラミング
  • 制御工学

これらの講義をすべて完璧に理解している必要はありませんが,配属後に復習したり,必要に応じて学び直したりする姿勢が重要です。

配属前にあるとよいもの,配属後に身につくもの

配属前にあるとよいものは,次のような力や姿勢です。

  • プログラミングに対する最低限の抵抗のなさ
  • 電力・エネルギー分野への関心
  • 分からないことを調べる姿勢
  • 継続して作業する習慣
  • 自分の状況を報告・相談する姿勢
  • 他の人の発表を聞いて学ぶ姿勢

一方で,配属後に身につけていくものは,次のような力です。

  • Pythonによるデータ処理・シミュレーション
  • 数理最適化や機械学習の基礎
  • 電力システム・エネルギーシステムの専門知識
  • 研究計画の立て方
  • 結果の整理・考察の仕方
  • 発表スライドの作成力
  • 卒業論文・技術文書の執筆力
  • 進捗報告・プレゼンテーション・議論の力

研究室は,最初から完成された人が来る場所ではありません。研究活動を通じて,自分で考え,調べ,試し,説明する力を伸ばしていく場所です。

学会発表・外部との交流

本研究室では,研究成果を学会などで発表する機会があります。

学会発表では,大学,研究機関,企業などの研究者・技術者に向けて,自分の研究内容を説明します。発表形式には,スライドを用いた口頭発表や,ポスターの前で説明するポスター発表などがあります。

学会発表は,研究成果を外部に発信するだけでなく,自分の研究を客観的に見直す機会でもあります。質問を受けることで,自分では気づかなかった課題に気づいたり,他大学や企業の研究者・学生とのつながりができたりすることもあります。

また,本研究室では,企業の方による説明会,他大学との交流,設備見学会,学生交流会など,研究室外の人と関わる機会もあります。こうした機会を通じて,電力・エネルギー分野の仕事や研究の広がりを知ることができます。

例えば,他大学の研究室との共同研究や,パワーアカデミーが主催している産学交流会学生交流会(GPAN)への参加,研究室での設備見学会,企業の方を招いた電力・エネルギー分野の仕事紹介,電気学会東京支部学生研究発表会での発表(4年生)などがあります。機会があればぜひ参加・チャレンジしてみてください。

研究環境

本研究室では,各自に固定席とデスクトップPCが割り当てられます。研究室に来て,落ち着いて卒業研究・修士研究に取り組める環境を整えています。

また,必要に応じてノートPCを利用することもできます。大規模な最適化問題や機械学習など,計算負荷の高い科学技術計算を行う場合には,研究室で所有しているLinuxサーバを利用できます。

さらに,研究テーマに応じて,数理最適化,電力系統解析,GIS解析などに関する専門的なソフトウェアを利用できます。

つまり,本研究室では,電力・エネルギーシステムを対象に,データ分析,シミュレーション,最適化計算を本格的に行うための環境があります。

研究活動に必要な環境は,学生の研究テーマや状況に応じて,随時改善していきます。

学生居室(23号館612)
研究用ラックサーバ

大学院への進学

本研究室では,大学院進学を強く推奨しています。

これは,電力・エネルギーシステムやデータサイエンスに関する専門性を身につけるには,卒業研究の1年間だけでは時間が限られているためです。卒業研究では,研究の進め方,専門分野の入口,プログラミングやシミュレーションの基礎を学びます。大学院に進学すると,それらをさらに深め,自分の研究として発展させることができます。

修士課程では,研究テーマへの理解が深まり,学会発表や論文執筆の機会も増えます。また,技術的な内容を読み,整理し,相手に伝える力も大きく伸ばすことができます。

一方で,学部卒で就職する学生もいます。学部卒で就職する場合でも,卒業研究を通じて,技術的な課題に向き合う力,プログラミングやデータ分析の基礎,発表・報告の力を身につけることを重視します。

大学院に進学するかどうかは,進路や将来像に関わる大切な選択です。迷っている人は,早めに相談してください。

就職先について

本研究室の卒業生・修了生は,電力会社,電力系統に関わる機関,重電系メーカー,自動車メーカー,設備工事・サブコン,情報・エンジニアリング系企業など,さまざまな分野に進んでいます。

電力・エネルギー分野の専門知識に加えて,プログラミング,データ分析,数理最適化,シミュレーション,プレゼンテーションなどの経験は,多くの技術系職種で役立ちます。

また,企業の方による説明会や見学会などを通じて,学生が自分に合った業界・企業を考える機会もあります。

研究室での活動は,就職のためだけに行うものではありません。しかし,卒業研究や大学院での研究活動をしっかり行うことは,自分の専門性や強みを説明するうえで大きな材料になります。


よくある質問

Q. プログラミングが得意でないと厳しいですか?

最初から得意である必要はありません。ただし,本研究室の研究では,Pythonなどを用いたデータ処理,シミュレーション,最適化計算を行うことが多いため,配属後に継続して学ぶ姿勢は必要です。

プログラミングに苦手意識がある人でも,基本的な内容から学びながら研究を進めることは可能です。一方で,「プログラミングをまったくやりたくない」という人には,本研究室の研究は向いていないかもしれません。

Q. 強電系の研究室ですか? 情報系の研究室ですか?

本研究室は,電力システムを主な対象とする研究室です。その意味では,強電系の研究室です。

ただし,研究手法としては,数理最適化,データサイエンス,シミュレーション,プログラミング,機械学習などを多く用います。そのため,単純な強電系というよりも,電気×情報×数理の境界領域にある研究室と考えてください。

Q. 研究テーマは自分で決められますか?

研究テーマは,教員・先輩と相談しながら決めます。

完全に自由に何でも選べるわけではありませんが,本人の関心は重視します。研究室で進めているプロジェクト,卒業研究としての実現可能性,利用できるデータやモデル,必要なスキルなどを踏まえて,テーマを具体化していきます。

Q. 配属時点で電力工学に詳しくないと厳しいですか?

詳しいに越したことはありませんが,配属時点で完璧に理解している必要はありません。

ただし,配属後には,電力システム,エネルギー工学,数理最適化,プログラミングなど,研究に必要な内容を自分で学ぶ必要があります。講義で学んだ内容を復習しながら,研究テーマに必要な知識を身につけていきます。

Q. アルバイトや就職活動との両立はできますか?

可能です。ただし,卒業研究に継続して取り組む時間を確保する必要があります。

本研究室ではコアタイムを設けており,ミーティングやゼミも基本的にコアタイムを中心に行います。就職活動,授業,大学院入試などの事情は個別に調整できますが,研究活動に支障が出ないように予定を組んでください。

Q. 毎日研究室に行く必要がありますか?

本研究室では,基本的に研究室に来て研究活動を進めることを重視しています。

研究は,一人で完結するものではありません。教員や先輩に相談し,同期と情報共有しながら進めることで,研究の質もスピードも高まります。そのため,コアタイムを中心に研究室で活動することを求めています。

Q. 大学院に進学しないと入りにくいですか?

大学院進学は強く推奨していますが,学部卒で就職する学生もいます。

大切なのは,進路に関わらず,卒業研究に主体的に取り組むことです。大学院進学を少しでも考えている人,迷っている人は,早めに相談してください。

Q. 研究室の雰囲気を知るにはどうすればよいですか?

Webページだけでは分からないことも多いと思います。研究室見学や個別相談を通じて,実際に教員や学生と話してみることをおすすめします。

研究内容,研究室生活,プログラミングへの不安,大学院進学,就職活動との両立など,気になることがあれば遠慮なく相談してください。


配属を検討している学生へ

根岸研究室では,電力・エネルギーシステムの未来を,電気工学,情報科学,数理科学の視点から考える研究を行っています。

研究テーマは,社会的にも技術的にも重要なものが多く,簡単に答えが出るものではありません。その分,卒業研究や大学院での研究活動を通じて,専門知識,プログラミング,データ分析,数理的な考え方,発表力,文章力,議論する力を大きく伸ばすことができます。

本研究室は,学生のみなさんに多くの成長機会を提供します。ただし,研究室はサービスを受けるだけの場所ではありません。自分から学び,調べ,試し,相談し,研究室の活動に参加することで,得られるものは大きく変わります。

根岸研究室を使いたおして,自分の力を大きく伸ばしてくれる学生を歓迎します。

配属を希望する学生は,7月〜8月に行われる研究室配属の希望調査で,根岸研究室を希望してください。研究内容や研究室生活について質問がある場合は,研究室見学や個別相談も歓迎します。

みなさんと一緒に研究できることを楽しみにしています。

(2026/06/11 文責:根岸)